追加情報 証拠文献② 50年以内にすべて終わっていた

前回の追加情報に引き続き、さらに千年王国は終わっていると昔の人たちは考えていた資料をご紹介します。再びジュネーブ聖書からで、ルカの福音書21:32に書かれている注釈を紹介します。

まずルカの福音書21:32には、以下の言葉が書かれています。

ルカ21:32 まことに、あなたがたに告げます。すべてのことが起こってしまうまでは、この時代は過ぎ去りません。

「この時代が過ぎ去らない」とは、どの時代なのか?

上記のルカ21:32とまったく同じことが、マタイの福音書とマルコの福音書にも書かれていて、重要な聖句であることがわかります。

マタイ24:34 まことに、あなたがたに告げます。これらのことが全部起こってしまうまでは、この時代は過ぎ去りません。

マルコ13:30 まことに、あなたがたに告げます。これらのことが全部起こってしまうまでは、この時代は過ぎ去りません。


「この時代は過ぎ去りません」とい書かれた、マタイの福音書24章、マルコの福音書13章、ルカの福音書21章は、世の終わりについて書かれているので「小黙示録」などとも言われます。通常キリスト教会では、一部の出来事は紀元70年の神殿崩壊で実現したが、一部はこれから未来に実現することとして教えています。

例としてこちらのサイト でも、「未来の時だと見なければなりません。」と書かれています。

では聖書の文脈を読み、イエスが語られた言葉の意味を考えてます。

ルカの福音書
21:6 「あなたがたの見ているこれらの物について言えば、石がくずされずに積まれたまま残ることのない日がやって来ます。」
21:7 彼らは、イエスに質問して言った。「先生。それでは、これらのことは、いつ起こるのでしょう。これらのことが起こるときは、どんな前兆があるのでしょう。」
21:8 イエスは言われた。「惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名のる者が大ぜい現れ、『私がそれだ』とか『時は近づいた』とか言います。そんな人々のあとについて行ってはなりません。
21:9 戦争や暴動のことを聞いても、こわがってはいけません。それは、初めに必ず起こることです。だが、終わりは、すぐには来ません。」
21:10 それから、イエスは彼らに言われた。「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がり、
21:11 大地震があり、方々に疫病やききんが起こり、恐ろしいことや天からのすさまじい前兆が現れます。
21:12 しかし、これらのすべてのことの前に、人々はあなたがたを捕らえて迫害し、会堂や牢に引き渡し、わたしの名のために、あなたがたを王たちや総督たちの前に引き出すでしょう。
21:13 それはあなたがたのあかしをする機会となります。
21:14 それで、どう弁明するかは、あらかじめ考えないことに、心を定めておきなさい。
21:15 どんな反対者も、反論もできず、反証もできないようなことばと知恵を、わたしがあなたがたに与えます。
21:16 しかしあなたがたは、両親、兄弟、親族、友人たちにまで裏切られます。中には殺される者もあり、
21:17 わたしの名のために、みなの者に憎まれます。
21:18 しかし、あなたがたの髪の毛一筋も失われることはありません。
21:19 あなたがたは、忍耐によって、自分のいのちを勝ち取ることができます。
21:20 しかし、エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、そのときには、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。
21:21 そのとき、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ちのきなさい。いなかにいる者たちは、都に入ってはいけません。
21:22 これは、書かれているすべてのことが成就する報復の日だからです。
21:23 その日、哀れなのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。この地に大きな苦難が臨み、この民に御怒りが臨むからです。
21:24 人々は、剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれ、異邦人の時の終わるまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされます。
21:25 そして、日と月と星には、前兆が現れ、地上では、諸国の民が、海と波が荒れどよめくために不安に陥って悩み、
21:26 人々は、その住むすべての所を襲おうとしていることを予想して、恐ろしさのあまり気を失います。天の万象が揺り動かされるからです。
21:27 そのとき、人々は、人の子が力と輝かしい栄光を帯びて雲に乗って来るのを見るのです。
21:28 これらのことが起こり始めたなら、からだをまっすぐにし、頭を上に上げなさい。贖いが近づいたのです。」
21:29 それからイエスは、人々にたとえを話された。「いちじくの木や、すべての木を見なさい。
21:30 木の芽が出ると、それを見て夏の近いことがわかります。
21:31 そのように、これらのことが起こるのを見たら、神の国は近いと知りなさい。
21:32 まことに、あなたがたに告げます。すべてのことが起こってしまうまでは、この時代は過ぎ去りません
21:33 この天地は滅びます。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません。
21:34 あなたがたの心が、放蕩や深酒やこの世の煩いのために沈み込んでいるところに、その日がわなのように、突然あなたがたに臨むことのないように、よく気をつけていなさい。
21:35 その日は、全地の表に住むすべての人に臨むからです。
21:36 しかし、あなたがたは、やがて起ころうとしているこれらすべてのことからのがれ、人の子の前に立つことができるように、いつも油断せずに祈っていなさい。」

イエスはまず「あなたがたの見ているこれらの物について言えば、石がくずされずに積まれたまま残ることのない日がやって来ます。」と語られました。

つまり、「ユダヤの神殿が崩壊する」ことを語ったのです。

そこで弟子たちが「先生。それでは、これらのことは、いつ起こるのでしょう。これらのことが起こるときは、どんな前兆があるのでしょう。」と質問しています。

この質問に対して答えられたイエスの言葉の一部を、キリスト教会では「未来のことだ」と教えています。

キリスト教会では通常、「これから恐ろしい大患難時代があます。戦争や疫病や飢饉が起こり、『荒らす憎むべき者』が聖なる所に立ち(マタイ24:15)、ニセキリストがあらわれます。そして再臨のキリストがやって来ます。」と語られます。

すべてのことは50年以内に起こった

ところがジュネーブ聖書の解説は、現在のキリスト教会が教えることと、全く違うことが書かれています。ルカによる福音書21章に書かれたことは、『50年以内に起こった』と解説していました。

32 Verely I say vnto you, This age shall not passe, till all these things be done.
ルカ21:32 まことに、あなたがたに告げます。すべてのことが起こってしまうまでは、この時代は過ぎ去りません。

ルカ21:32の横に書かれた注釈
For all these things came within 50 years after.
これらすべてのことは、その後50年以内に起こったのである

もうとっくに終わっていると考えていたのです。

マタイの福音書にも同様のことが書かれている

マタイの福音書24:34の注釈
For within fifty years after Jerusalem was destroyed, the godly were persecuted, false teachers seduced the people, religio was polluted, so that the world seemed to be at an end.
エルサレムが破壊されてから50年以内に、敬虔な人々が迫害され、偽教師が人々を誘惑し、宗教が汚染され、世界は終わりを迎えたかのように見えました。

もし現在私たちがジュネーブ聖書を学んでいたら、「これから患難時代がやってきて、未来にキリストが再臨する」とは、決して思わないでしょう。大患難時代やキリストの再臨は、もうすでに終わったこととして、昔の人々は考えていたのです。

千年王国が始まるから語られたのではないかと考えられる言葉

イエスは人々に警告を与えていました。

ルカ21:34 あなたがたの心が、放蕩や深酒やこの世の煩いのために沈み込んでいるところに、その日がわなのように、突然あなたがたに臨むことのないように、よく気をつけていなさい

ルカ21:36 しかし、あなたがたは、やがて起ころうとしているこれらすべてのことからのがれ、人の子の前に立つことができるように、いつも油断せずに祈っていなさい

「人の子の前に立つ」とは再臨のキリストに出会うことです。弟子たちにこのような警告を与えていたのは、彼らが再臨のキリストを目撃すると考えていたからこそ語られたのではないでしょうか。

黙示録の7つの教会に対して語られた言葉

黙示録は、「すぐにも起るべきことをその僕たちに示すため」や「時が近づいているからである」という言葉から始まります。その後、7つの教会へのメッセージが語られます。

この個所の牧師の説教は、「初めの愛から離れてしまった」や、「冷たくもなく熱くもない」など、人々への非難や行いの悪さばかりに注目して話されるように感じます。

しかしながら、それぞれの教会に対して書かれた言葉には、『救いの言葉』がしっかりと書かれています。命を懸けてイエスに従う聖徒たちは、救いの時代である千年王国に入る直前にいたのではないかと感じます。

エペソの教会
黙示録2:7 耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。勝利を得る者に、わたしは神のパラダイスにあるいのちの木の実を食べさせよう

エペソ

スミルナの教会
黙示録2:10 あなたが受けようとしている苦しみを恐れてはいけない。見よ。悪魔はあなたがたをためすために、あなたがたのうちのある人たちを牢に投げ入れようとしている。あなたがたは十日の間苦しみを受ける。死に至るまで忠実でありなさい。そうすれば、わたしはあなたにいのちの冠を与えよう

スミルナ

ペルガモの教会
黙示録 2:17 耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。わたしは勝利を得る者に隠れたマナを与える。また、彼に白い石を与える。その石には、それを受ける者のほかはだれも知らない、新しい名が書かれている

ペルガモ

テアテラの教会
黙示録2:25 ただ、あなたがたの持っているものを、わたしが行くまで、しっかりと持っていなさい2:26 勝利を得る者、また最後までわたしのわざを守る者には、諸国の民を支配する権威を与えよう

テアテラ

サルデスの教会
黙示録3:5 勝利を得る者は、このように白い衣を着せられる。そして、わたしは、彼の名をいのちの書から消すようなことは決してしない。わたしは彼の名をわたしの父の御前と御使いたちの前で言い表す

サルデス

フィラデルフィヤの教会
黙示録3:10 あなたが、わたしの忍耐について言ったことばを守ったから、わたしも、地上に住む者たちを試みるために、全世界に来ようとしている試練の時には、あなたを守ろう

フィラデルフィヤ

ラオデキヤの教会
黙示録3:21 勝利を得る者を、わたしとともにわたしの座に着かせよう。それは、わたしが勝利を得て、わたしの父とともに父の御座に着いたのと同じである。

ラオデキヤ

これら7つの教会に対しての言葉の中で、特にテアテラの教会へは「黙示録2:25 ただ、あなたがたの持っているものをわたしが行くまで、しっかりと持っていなさい」と語られています。

もし現在でもイエスが再臨していないのなら、イエス・キリストとは「自分の語ったことが実現できなかった、大変不誠実な救い主」ではないでしょうか。

しかしながら、千年王国が終わっているという観点からこれらの言葉を読むと、この時代に生きていた人たちの救いが実現する、千年の期間が始まる直前の言葉ではないかと強く思います。

中世の絵画に描かれている聖徒達

古代の絵画はキリスト教に関連する作品がとても多いです。必ずというわけではありませんが、聖徒達の頭には、丸い光が描かれていることが多いです。

神聖な人であることを誇張しているだけであると思われていますが、千年王国は終わっていると考える人たちの間では、「千年の時代が始まり、栄光体を持ってよみがえった聖徒たちの頭部は、実際に光輝いていたかもしれない」という意見があります。

首を切られた人々

また聖書には、イエスのあかしをしたために首を切られた人々は生きかえり、キリストと共に千年の間支配することが書かれています。下の像は頭を抱えた人物の像ですが、復活した聖徒たちの中には、「彼らの信仰の証として、首が切られた状態で頭を抱えて歩いていた人もいたのかもしれない」という意見があります。

栄光の体を持っている聖徒たちにとっては肉体的な制限はもうありません。首が切られているままの姿を、当時の人々は実際に見ていたのかもしれません。

千年王国は終わっているというテーマは、フラットアースを知るクリスチャンの間でも分裂を引き起こしていると感じるときがあります。

しかしながら、もし千年王国が終わっていたとしても、これからやって来るのは、新天新地という千年王国よりもさらに良いものであり、御国を待ち望む私たちの姿勢や信仰は、全く変わらないと考えています。